2020年秋の大会

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VI. 核融合工学 » 601-2 核融合炉材料工学(炉材料,ブランケット,照射挙動)

[3N08-13] プラズマ対向材料

2020年9月18日(金) 14:45 〜 16:25 N会場 (Zoomルーム14)

座長:向井 啓祐(京大)

15:15 〜 15:30

[3N10] 照射欠陥導入タングステンへの重水素プラズマ照射による滞留挙動に及ぼす照射温度依存性

*山﨑 翔太1、小池 彩華1、和田 拓郎1、芦沢 京祐1、趙 明忠1、孫 飛2、外山 健3、大矢 恭久1 (1. 静岡大院、2. 静岡大理、3. 東北大金研)

キーワード:プラズマ照射、中性子照射、昇温脱離法、タングステン

核融合炉のプラズマ対向壁材タングステン(W)には炉運転時に中性子が照射され、水素同位体の捕捉サイトである照射欠陥が導入される。この時の対向壁温度は位置やプラズマの状態により異なる。照射温度により欠陥状態が変化するため、水素同位体滞留挙動にも影響を及ぼすと考えられる。本研究では、中性子または鉄イオン照射をすることによりW中に欠陥を導入した。これらの試料に照射温度を変化させて重水素(D)プラズマ照射を行った後に昇温脱離法により重水素滞留挙動を評価した。その結果、623 Kにおいてプラズマ照射を行った中性子照射試料では同程度の損傷量を導入した鉄イオン照射試料に比べ滞留量が増加していた。また中性子照射試料の陽電子寿命の成分のうち空孔クラスターおよびボイド由来である長寿命成分の割合が33 %となった。ここから中性子照射によって生じたバルク中の安定な欠陥がD滞留を増加させることが示唆された。