2020年秋の大会

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VI. 核融合工学 » 601-2 核融合炉材料工学(炉材料,ブランケット,照射挙動)

[3N14-16] ブランケット用機能性材料

2020年9月18日(金) 16:25 〜 17:15 N会場 (Zoomルーム14)

座長:波多野 雄治(富山大)

16:55 〜 17:10

[3N16] Li2TiO3固体増殖ブランケット構造材F82H表面に生成する酸化被膜の水素透過特性

*岩松 尚杜1、向井 啓祐2、近田 拓未3、八木 重郎2、小西 哲之2 (1. 京都大学、2. 京都大学エネルギー理工学研究所、3. 静岡大学)

キーワード:核融合、ブランケット、トリチウム、水素透過

核融合炉ブランケット構造材におけるトリチウムの透過は,燃料損失や放射線の安全性の観点から重要な問題である。我が国では低放射化フェライト鋼F82Hが使用されるが,実際には高温下でリチウム系固体増殖材との接触により表面に複数の酸化被膜が形成し,透過の抑制が予想される。よって本研究では,F82Hの水素同位体透過特性に対する酸化被膜の影響を調査した。F82H-BA07の正方形板サンプルをLi2TiO3粉末と接触させ、水素濃度0.1 vol%のアルゴンガスをスープガスとして流しながら500℃で2,7,14,21日間加熱した。サンプル表面はLi2TiO3増殖材により腐食され、LiFeO2などの酸化物層が確認された。被膜の厚さは1〜15μmだった。また,重水素透過係数は熱処理前と比べ1/10未満に減少した。その後,増殖材による腐食層の膜厚と透過量の関係について考察した。