2021年秋の大会

講演情報

一般セッション

V. 核燃料サイクルと材料 » 505-1 放射性廃棄物処理

[1A09-12] 汚染コンクリート

2021年9月8日(水) 16:00 〜 17:15 A会場

座長:北辻 章浩 (JAEA)

16:30 〜 16:45

[1A11] 放射性物質によるコンクリート汚染の機構解明と汚染分布推定に関する研究

(12)実濃度範囲でのコンクリートへの1年間でのCs/Sr浸透

*山田 一夫1、東條 安匡2、富田 さゆり3 (1. 国立環境研究所、2. 北海道大学、3. 太平洋コンサルタント)

キーワード:浸透、Cs、Sr、コンクリート、イメージングプレート、実濃度、変質、炭酸化、乾燥

福島第一原子力発電所コンクリートへの放射性CsとSrの浸透に関して、2020年度のシリーズ発表(7)で報告の短期材齢(56日)のコンクリートへのCsとSrの浸透を、長期材齢(約1年間)と比較した。

試料は普通セメントモルタルで、飽水健全、飽水炭酸化、乾燥炭酸化の状態に調製した。試料は137Csと90Srで標識した濃度100mM~10μMのCsCl溶液、10µMのSrCl2溶液に浸漬した。イメージングプレートにより、物質濃度プロファイルを取得した。
飽水健全試料は、長期では深部への濃度勾配が緩やかになり、全濃度範囲でCsが30mm以深に到達した。飽水炭酸化試料では、炭酸化領域では強いCsの濃縮が認められるが、長期材齢では深部までCsが浸透した。乾燥炭酸化試料では、Csでは表面濃度も増加し、かつ深部の濃度も増加した。一方、Srは表面濃度は増加したが、深部の濃度は一定で、Srの浸透はCsよりも遅い。