2021年秋の大会

講演情報

一般セッション

V. 核燃料サイクルと材料 » 505-2 放射性廃棄物処分と環境

[1C07-12] 核種移行・収着

2021年9月8日(水) 14:45 〜 16:25 C会場

座長:佐藤 治夫 (岡山大)

15:15 〜 15:30

[1C09] 蛍光分光測定と多変量解析を用いた深部地下水天然有機物と金属イオンの相互作用評価とその起源の整理

*西 柊作1、宮川 和也2、戸田 賀奈子1、斉藤 拓巳1 (1. 東大、2. JAEA)

キーワード:地層処分、天然有機物、蛍光分光測定、PARAFAC、消光

高レベル放射性廃棄物処分において,地下水中に存在する天然有機物(NOM)は,放射性核種と錯生成することで,その移行挙動を大きく変える.特に,表層環境のNOMに対しては,金属イオンとの結合を多様な環境条件下で表すことのできるモデルが提案されている.そうしたモデルを地層処分の安全評価で使用するためには,深部地下環境のNOMと核種の結合反応を評価し,表層環境のNOMと比較することで,両者の類似点や相違点を理解する必要がある.2021年春の年会では,NOMの蛍光が金属イオンと結合することで消光されることに着目し,多変量解析法の一つである Parallel Factor Analysisを用いて,結合反応に寄与するNOMの蛍光成分を明らかにし,深部地下環境に固有な成分の存在も示した.本発表では,異なる深度で採取された試料に対し,同様の評価を行い,深度によるNOMの反応性の違いをその起源や環境条件の違いから網羅的に議論を行い,深部地下NOMの性質を総合的に整理する。