2021年秋の大会

講演情報

一般セッション

IV. 原子力プラント技術 » 402-1 原子力安全工学(安全設計,安全評価,マネジメント)

[1E12-14] 過酷事故2

2021年9月8日(水) 16:10 〜 17:05 E会場

座長:間所 寛 (JAEA)

16:40 〜 16:55

[1E14] Zr被覆管酸化時のTe放出事象を考慮した福島事故時の炉心注水時間帯の予測

*日髙 昭秀1,2、川島 茂人3、梶野 瑞王4、高橋 千太郎5、高橋 知之3 (1. JAEA、2. カリファ大、3. 京大、4. 気象研、5. 元京都大学)

キーワード:福島第一原発事故、Te-129m土壌汚染マップ、WRF モデル、Te放出、Zr被覆管酸化

福島第一原発事故時に炉心冷却で切り札となった消防車からの注水は、復水器に向かう配管に横抜けしてしまった結果、各原子炉にいつどれだけ水が入ったかは未だに不明である。一方、過酷事故時に燃料から放出されたTeの大部分は、未酸化のZr被覆管内面に一旦取り込まれ、炉心注水時のZr酸化に伴ってSnTeとして放出されることがORNL実験で報告されている。演者らは、文科省の129mTe土壌汚染マップとメソスケール気象モデル(WRF)を用いてTeの放出時間帯を推定し、その起源について格納容器の圧力や破損位置から検討した(Nuclear Technology, 2018)。上述したTe放出を勘案すると、先の検討で不明とした14日午前1時頃の放出は1号機からの放出として説明がつく。また15日午前6時頃のTe放出は3号機からであり、その時にZr酸化で生成した水素が4号機水素爆発の直接的な原因になったと考えられる。