2021年秋の大会

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VII. 保健物理と環境科学 » 保健物理と環境科学

[1M05-12] 環境放射能1

2021年9月8日(水) 14:45 〜 17:00 M会場

座長:森泉 純 (名大)

16:15 〜 16:30

[1M11] 福島における放射性物質分布調査

(5)空間線量率の減少に対する舗装面、および浸透面における放射性セシウム動態の寄与

*吉村 和也1、藤原 健壮1、中間 茂雄1、阿部 智久1 (1. JAEA)

キーワード:福島第一原子力発電所、空間線量率、Cs-137、都市域

空間線量率は、都市域で他の土地利用よりも早く減少することが報告されている。この要因の一つとして、都市域の主要な要素である舗装面と、草地などの浸透面とで放射性セシウムの動態が異なることが挙げられるが、定量的な評価はなされていない。本研究は地表の放射性セシウムに着目し、そのウェザリング(水平方向への流失、及び鉛直方向への移動)が空間線量率の減少に及ぼす影響について評価した。舗装面における放射性セシウム沈着量は、帰還困難区域内の最大18地点で2014年から2021年にかけ計11回測定し、その減少速度を求めた。この減少速度、および既報の浸透面における鉛直方向への放射性セシウム移動速度を用い、舗装面、および浸透面上の空間線量率の減少傾向を求めた結果、空間線量率は舗装面で浸透面よりも顕著に早く減少することが示された。以上の結果から、舗装面における放射性セシウムの流失は、都市域における空間線量率の減少を促進していることが示唆された。