2021年秋の大会

講演情報

一般セッション

II. 放射線工学と加速器・ビーム科学および医学利用 » 202-2 放射線物理,放射線計測

[2H15-18] 検出器および解析法高度化

2021年9月9日(木) 16:35 〜 17:45 H会場

座長:富田 英生 (名大)

16:50 〜 17:05

[2H16] 鉛/アルミニウム薄板を積層させたキャパシタ型γ線電池の高効率化

*松岡 寛大1、大塚 哲平1、藤乗 幸子2 (1. 近畿大学、2. 阪大産研)

キーワード:γ線、キャパシタ、鉛、アルミニウム

本研究では、厚さ0.3 mmの鉛(Pb)板とアルミニウム(Al)板を、絶縁のためのアクリル板を挟んで密着させたセットを1セルとし、交互に多重に積層させてγ線を遮蔽するとともに、γ線相互作用によるPbとAlとの電子放出量の違いにより生じる両板間の電位差を利用して、別途並列に接続したコンデンサに電荷を溜め込むキャパシタ型γ線電池の開発を行っている。

3セルを並列に接続した後、大阪大学産業科学研究所量子ビーム科学研究施設にて60Co線源によるγ線照射を実施し、線量30.2Gy h-1、2~144時間照射で、2~10 μCの電荷を蓄電することができた。PHITSコードを用いて60Co線源の遮蔽計算を行った結果、γ線を遮蔽してエネルギーを1/100にするには120セル必要であることがわかった。発表では、蓄電量のセル数依存性の結果や、Pb板とAl板の幾何学的配置(順番や形状)、セルの接続方法(直列・並列)を検討した結果を議論する。