[2L01-05] プラズマ対向機器工学

[2L04] 固体増殖材ペブル充填層のF82H壁面における水素透過挙動

*向井 啓祐¹、見城 俊介¹、岩松 尚杜¹、バクル マハムド¹、近田 拓未²、八木 重郎¹、小西 哲之¹ (1. 京大、2. 静大)

キーワード：トリチウム透過、増殖ブランケット、RAFM鋼、化学的共存姓、固体増殖材微小球

核融合燃料サイクルの確立及び安全性の観点から、ブランケットにおける水素同位体透過挙動の解明は炉工学の重要課題の一つである。既往研究において、増殖材からの放出ガスにより低放射化フェライト鋼表面に腐食生成物（酸化物被膜）が形成されることが報告されているが、その被膜が水素透過特性に与える影響は十分に理解されていない。本研究では、水素添加スイープガス流動条件下にて最大216時間の500℃熱処理を行い、固体増殖材ペブル充填層F82H壁面における水素透過をIn-situで測定した。増殖材には直径約1 mmのLTZO（Li₂ZrO₃添加したLi_2+xTiO₃+y固溶体）ペブルを用い、350～500℃における水素透過フラックスを測定した。実験の結果、F82H試料表面（増殖材側）には緻密なLi–Fe–O酸化皮膜が形成し、被膜の成長によって透過フラックスの低減が認められた。冷却水温度において、腐食層の透過フラックスは未処理材と比較して1/20～1/50に低減された。