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[2M05] 福島における放射性物質分布調査
(11)福島県の森林における土壌と樹木根の137Cs濃度の経年変化
キーワード:Cs-137、福島第一原子力発電所事故、森林土壌、経年変化
これまでの調査から、福島県山木屋地区におけるスギ若齢林及びアカマツ-コナラ混交林の土壌と植物根のCs-137の濃度比(Concentration Ratio:CR)が経年(2012,2015,2017年)及び深度(0-20 cm)で増加する傾向が示された。ターンオーバーが約1年の細根でもこの結果がみられるため植物根のCs-137吸収量の経年的な増加の可能性を示唆しており、森林におけるCs-137動態を把握するうえで重要である。そのため2020年7月に同スギ林サイトにおける土壌及び植物根のCs-137の濃度を深度別に測定し、現在のCRの傾向を明らかにした。
深度別植物根中のCs-137濃度は5-2453 Bq/Kgの範囲にあり、CRは0.049-0.690とこれまでと同様に深層ほど高くなる傾向にあった。一方2020年のスギ若齢林における植物根のCRは2017年のCRに比べて減少しており、経年的な増加傾向は認められなかった。
深度別植物根中のCs-137濃度は5-2453 Bq/Kgの範囲にあり、CRは0.049-0.690とこれまでと同様に深層ほど高くなる傾向にあった。一方2020年のスギ若齢林における植物根のCRは2017年のCRに比べて減少しており、経年的な増加傾向は認められなかった。