2021年秋の大会

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VII. 保健物理と環境科学 » 保健物理と環境科学

[2M01-08] 環境放射能2

2021年9月9日(木) 09:45 〜 12:00 M会場

座長:砂川 武義 (福井工大)

10:45 〜 11:00

[2M05] 福島における放射性物質分布調査

(11)福島県の森林における土壌と樹木根の137Cs濃度の経年変化

*井口 啓1、高橋 純子2、加藤 弘亮2、恩田 裕一2 (1. 筑波大、2. アイソトープ環境動態研究センター)

キーワード:Cs-137、福島第一原子力発電所事故、森林土壌、経年変化

これまでの調査から、福島県山木屋地区におけるスギ若齢林及びアカマツ-コナラ混交林の土壌と植物根のCs-137の濃度比(Concentration Ratio:CR)が経年(2012,2015,2017年)及び深度(0-20 cm)で増加する傾向が示された。ターンオーバーが約1年の細根でもこの結果がみられるため植物根のCs-137吸収量の経年的な増加の可能性を示唆しており、森林におけるCs-137動態を把握するうえで重要である。そのため2020年7月に同スギ林サイトにおける土壌及び植物根のCs-137の濃度を深度別に測定し、現在のCRの傾向を明らかにした。
 深度別植物根中のCs-137濃度は5-2453 Bq/Kgの範囲にあり、CRは0.049-0.690とこれまでと同様に深層ほど高くなる傾向にあった。一方2020年のスギ若齢林における植物根のCRは2017年のCRに比べて減少しており、経年的な増加傾向は認められなかった。