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[2M11] 福島における放射性物質分布調査
(17)空間線量率の3次元分布が計算可能なシステム(3D-ADRES)の開発現状について
キーワード:3D-ADRES、PHITS、空間線量率3次元分布
日本原子力研究開発機構・システム計算科学センターは、福島環境安全センター他と連携し市街地や森林等の複雑な環境中の地形・樹木・建物等の3次元のリアルな構造物モデルを構築し、更に不均質な放射性セシウムの線源分布を取り込むことを可能とすることで、空間線量率の3次元分布が計算可能なシステム(3D - Air Dose Rate Evaluation System:略称3D-ADRES)を開発してきた。しかし、典型的な日本の家屋や森林の空間線量率を評価するのではなく、実環境における空間線量率の評価を行うためには、地面モデルの解像度、家屋モデルの形状の限界、家屋室内空間の再現、環境面における線源分布の細かな設定が不可能といった限界があった。さらに計算流れの全般からみると、数多くの環境モデルが構築されるため計算負荷が大きい等の課題が残され、効率よい計算を行うための工夫が必要であった。そこで、より迅速・詳細・正確に環境中の放射線場のシミュレーションが可能にすることをコンセプトに3D-ADRESを開発してきたので、既存の限界点等を挙げ、現地点で発展させてきた内容について報告する。