2021年秋の大会

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VII. 保健物理と環境科学 » 保健物理と環境科学

[2M15-19] 環境動態

2021年9月9日(木) 16:30 〜 18:00 M会場

座長:永井 晴康 (JAEA)

17:00 〜 17:15

[2M17] 降雨時の高線量率上昇例の発生メカニズムと対流性降水の関係

*打田 真聖1、山澤 弘実1、森泉 純1 (1. 名大院・工)

キーワード:空間線量率、ラドン壊変核種、降水、ラドン長距離輸送

先行研究で、大陸からの高濃度222Rnの輸送がない時に降雨時の高線量率上昇が確認され、これは対流性降水が要因である可能性が指摘された。そこで本研究では、これが対流性降水によるものなのか、事例解析により明らかにする。2013年~2017年7月に観測された線量率及び降水量と222Rn長距離輸送モデルにより計算された鉛直積分222Rn濃度の時間変化を確認し、対流性降水の影響の可能性がある事例を選定した。選定した事例は、大気の安定度、下層風収束、雲頂高度、前線の有無の検討を行い、対流性降水が発生していたかを確認した。対流性降水の影響が確認された事例は、境界層内水平収束起因の上昇気流による鉛直輸送で生じる鉛直濃度分布を単純な仮定で評価する方法を用い、線量率上昇値と鉛直積分222Rnの関係性を確認した。両者が良好な線形関係にあることから、積雲対流による下層高濃度気塊の鉛直輸送が高線量率上昇の要因である可能性が極めて高いことが示された。