[3C01-04] 事故炉の廃止措置技術3

[3C04] 溶脱による変質を考慮した汚染コンクリート廃棄物の合理的処理・処分の検討

(4)汚染水中のコンクリートにおける放射性核種濃度分布の計算手法の開発

*西野 将平¹、川崎 大介¹、柳原 敏¹ (1. 福井大)

キーワード：ランダムウォーク粒子追跡法、福島第一原子力発電所、コンクリート、統計誤差、放射能濃度分布、モンテカルロ法、拡散

福島第一原子力発電所原子炉建屋地下部のコンクリート構造物は汚染水に晒されており、解体後は放射性廃棄物となる。汚染コンクリートの処理方法・処分方法の検討及び廃棄物発生量の推定に当たってはコンクリート中の放射性核種の濃度分布の推定が必要である。
本研究では濃度分布推定のために、コンクリート中の放射性核種の拡散を、3次元不均一媒体中のランダムウォーク粒子追跡法を用いて模擬する計算手法を開発した。
ランダムウォーク粒子追跡法では粒子数の少ない低濃度領域では相対的に濃度の統計誤差が大きくなる。低濃度領域における粒子数を増やすため、粒子がより低い濃度の領域に移動すると粒子1個当たりの質量を減らすとともに粒子数を増やし、また高い濃度領域に移動すると質量を増やすとともに粒子数を減らすアルゴリズムを導入した。これにより低濃度領域の統計誤差を低減することが可能となった。