2021年秋の大会

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III. 核分裂工学 » 305-1 計算科学技術

[3G01-03] 応用シミュレーション

2021年9月10日(金) 09:55 〜 10:50 G会場

座長:酒井 幹夫 (東大)

09:55 〜 10:10

[3G01] スペクトル範囲設定機能付き逆冪乗則乱雑媒質の臨界性評価

*植木 太郎1 (1. JAEA)

キーワード:スペクトル範囲、パワースペクトル、不完全確率的乱雑化ワイエルストラス関数、臨界性評価、逆冪乗則

自然・工学現象のパワースペクトル測定においては、周波数領域変数に上下限が存在する。例えば、乱流のような乱雑系の逆冪乗則パワースペクトルの測定においては、下限以下の周波数領域で逆冪乗則の傾向が消失し、ほぼ平坦なスペクトルが見られる。これは現象の本質とは関係のないホワイトノイズである。一方、周波数領域の上限は、バックグラウンドノイズの大きさまたは乱雑変動の微細さの限度で決まる。そこで、本予稿においては、逆冪乗則パワースペクトルの周波数領域変数の範囲を任意に設定できる機能を、確率的乱雑化ワイエルシュトラス関数に導入したことを報告する。この新機能は、ワイエルシュトラス関数のフラクタル性への収束との関係を断ち切ることから生まれるため、不完全確率的乱雑化ワイエルシュトラス関数(IRWF: incomplete randomized Weierstrass function)と命名される。IRWFの工学的有用性を示す中性子実効増倍率の不確かさ評価例を、十分に中性子減速されている環境下での燃料デブリ体系について、報告する。