2022年秋の大会

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VII. 保健物理と環境科学 » 保健物理と環境科学

[2I14-19] 核種移行評価

2022年9月8日(木) 16:20 〜 18:00 I会場 (E1棟3F 34番教室)

座長:木名瀬 栄(JAEA)

16:20 〜 16:35

[2I14] 原子力緊急時の住民の広域避難に関する研究

(1)自主避難率が避難時間推計に与える影響

*嶋田 和真1、山本 一也1、高原 省五1 (1. 日本原子力研究開発機構)

キーワード:原子力防災、広域避難計画、避難時間推計、交通シミュレーション、自主避難

原子力緊急時の広域避難計画の有効性を評価する手法の一つとして、交通シミュレーションによる避難時間推計(ETE)がある。本発表では、交通シミュレーションソフトPTV VISONを用いて原子力施設から半径約5㎞(PAZ)の住民を半径約5-30㎞(UPZ)圏外に脱出する時間の推計し、UPZ住民の自主避難率および避難車両の出発地点の設定方法が結果に与える影響を示す。本研究における住民の自主避難率が40%の場合の脱出時間は、過去の国内のETE実施例と比較して、UPZ内の日本で実施されたETEの平均値に近い値であった。また、出発地点を市町村ごとに1か所のみ設定する簡略な手法をとると、PAZ住民のUPZ圏外への脱出時間が過大評価されることが明らかになった。これより、出発地点の数を適切に設定することがETEの必要条件であることを示した。