2022年秋の大会

講演情報

一般セッション

V. 核燃料サイクルと材料 » 503-1 原子炉化学,放射線化学,腐食化学,水質管理

[3E09-12] 腐食電位、亜鉛注入

2022年9月9日(金) 14:45 〜 15:55 E会場 (E1棟2F 24番教室)

座長:永石 隆二(JAEA)

15:15 〜 15:30

[3E11] ニッケル基合金82における腐食電位の酸素濃度依存性

*室谷 光1、和田 陽一1、清水 亮介2 (1. 日立、2. 日立GE)

キーワード:腐食電位、ニッケル基合金、82合金、腐食電位モデル、応力腐食割れ、沸騰水型原子炉

原子炉構造材料の応力腐食割れ(SCC)は材料・応力・環境の3因子が重畳して生じる。環境因子の指標として腐食電位(ECP)が広く用いられており、ECPの低減によりSCC進展速度を低減できる。沸騰水型原子炉(BWR)で用いられているニッケル基合金溶接金属82(82合金)は材料因子の観点で耐SCC性に優れる。しかし、これまでECPに関するデータが不足していた。本研究では、BWR環境を模擬した280℃の純水中で酸化皮膜の無い82合金のECPの酸素濃度依存性を測定した。脱気ではECPは-0.5V(以下、電位は標準水素電極基準)であり、他の鋼種と同等であった。酸素濃度が10ppbを超えるとECPが急激に上昇し始め、20ppbで0Vに達し、1000ppbで0.2Vまで上昇した。100ppb程度でECPが0Vに上昇する304ステンレス鋼に比べて、82合金は広範な酸素濃度でECPが高いことが明らかになった。