2023年秋の大会

講演情報

一般セッション

V. 核燃料サイクルと材料 » 504-2 核化学,放射化学,分析化学,アクチノイドの化学

[1B05-07] アクチニドの挙動

2023年9月6日(水) 11:10 〜 12:00 B会場 (IB電子情報館1F IB014)

座長:魚住 浩一(電中研)

11:40 〜 11:55

[1B07] 高真空下において二酸化ウランからアブレーションで原子化したウラン中性原子群の柱状密度と移動速度

*村上 健太1、桑原 彬1、榎田 洋一1 (1. 名古屋大学)

キーワード:レーザーアブレーション、高真空、U中性原子、レーザー吸収分光

共鳴イオン化質量分析の原子化では,スパッタリングによるUO2からの低いウラン原子収率をレーザーアブレーションで改善することが期待できる.しかし,共鳴イオン化レーザーの遅延時間の決定に必要となるアブレーションされたU原子の挙動については,高真空下における知見が少ない.本研究では,UO2からアブレーションされた基底状態と励起状態のU中性原子群の密度と速度を明らかにした.実験では,3.0 × 10-4 PaでUO2にレーザーアブレーションを行い,試料表面から垂直方向に複数の位置で,基底状態5L6と励起状態K5のウラン中性原子のレーザー吸収の測定を行い,吸光度と柱状密度を計算した.基底状態の柱状密度は試料表面から 1 mmの位置で,レーザー照射後の0.7 μsで最大となり1.1 × 1013 cm-2となった.吸光度ピークの空間的な移動と励起状態で見られたドップラー分裂から,原子群の中には最密層が形成されており,終端速度3.0 × 103 ms-1に到達していることが分かった.