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[1C10] 放射性物質によるコンクリート汚染の機構解明と汚染分布推定に関する研究
(17) 高経年におけるコンクリートの状態の位置づけ
キーワード:高経年、乾燥収縮、炭酸化、ひび割れ、剛体バネモデル、コンクリート
高経年化後に事故が生じた福島第一原子力発電所において,放射性物質の汚染量評価のためには水分の移流やイオンの拡散の影響を考慮できるように,部材表層から内部にかけて生じうるひび割れや,炭酸化の分布を推定することが重要と考えられる。本プロジェクトでは,水和発熱モデル,熱・水分移動連成モデル,剛性バネモデルの連成により,大断面部材のコンクリートの打ち込みから,供用期間,ならびに事故が生じるまでの地震時の応答時に生じうる,温度ひび割れ,乾燥収縮ひび割れ,地震応答によるひび割れの分布を計算する数値解析手法を開発した。試計算の結果,地震時には,場合によっては貫通ひび割れが生じる可能性が示された。ただし,この荷重は相当に大きくなってからなので,地震時の応答変位などとの関係から,ひび割れの程度を推定することが重要となることが示唆された。