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[1D03] 冠水条件におけるカルシウムシリケート水和物への亜セレン酸イオンの収着挙動
キーワード:カルシウムシリケート水和物、亜セレン酸イオン
地層処分の被ばく線量評価において重要な核種であるセレン(Se)は、処分場建設に使用されるセメント系材料により高pH化した地下環境において亜セレン酸イオンとして存在する可能性がある。一方、高pH環境において溶出するケイ酸とセメント由来のCaにより二次生成するカルシウムシリケート水和物(C-S-H)は、核種収着能が期待されている。本研究では、地下の冠水環境を考慮して、C-S-Hを生成から乾燥過程を経ることなく亜セレン酸イオンと接触させた場合の相互作用を調べた。実験では粉末のCaOとSiO2をNa2SeO3溶液と混合し、C-S-Hを生成させつつSeを収着させた。Se濃度は0.1 µM、10 µM、1 mM、Ca/Siモル比は0.4、0.8、1.2、1.6とした。その結果、全ての条件で80 %以上のSeが固相側に収着しており、CaSeO3の沈殿生成やC-S-HのCaとの相互作用によって収着していることが示唆される。また、固相のラマン分光分析ではSeの有無による顕著な変化は見られず、SeはC-S-Hの構造を保ったまま取り込まれると考えられる。