2023年秋の大会

講演情報

一般セッション

VI. 核融合工学 » 601-3 トリチウム工学(燃料回収・精製,計測,同位体効果,安全取扱い)

[1L12-14] 水素同位体挙動

2023年9月6日(水) 15:50 〜 16:40 L会場 (ES総合館3F ES033)

座長:芦川 直子(核融合研)

15:50 〜 16:05

[1L12] 一次系内に共存する金属材料の酸化が高温高圧水環境下でのインコネル600中のトリチウム透過に及ぼす影響

*松本 あずさ1、波多野 雄治1 (1. 富山大学)

キーワード:トリチウム、透過、蒸気発生器

蒸気発生器内の配管材料中をトリチウム(T)が透過すると,Tが外部へ放出される懸念がある.そこで,配管材料候補であるインコネル600を介した高温高圧水/水蒸気環境下におけるT透過挙動を調べた.SUS304ステンレス鋼製およびハステロイ合金製の高圧容器の内部をインコネル600試料膜で二つの領域(上流側/下流側)に隔てたのち,上流側にT水(0.9 MBq/cm3),下流側に軽水を導入したうえで280 ℃にて14〜70時間加熱し,下流側へのT透過量を測定した.その結果,ステンレス鋼製容器での透過速度はハステロイ合金製容器に比べ顕著に大きいことがわかった.これは,容器内壁の酸化によりHTが多量に生成したためと考えられる.核融合炉においても,一次系冷却水ループ内に存在する金属の酸化がT透過に大きな影響を及ぼす可能性がある.なお,上流側にO2ガスを添加しHTをHTOに酸化する事で,透過低減効果が得られた.