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[2J11] 広島市において採取された原爆由来と思われる微小熔融粒子の分析
キーワード:質量分析、表面分析、原子力爆弾、溶融ガラス微粒子
2019年に広島市の砂浜から特異なガラス質粒子がWannierらによって発見された 。本粒子は内部に空洞が存在し、数100 μm程度の球形であることから、高温熔融過程を経ていることが分かった。さらに広島湾の海岸から大量に見つかることから、原爆による衝撃や熱により巻き上げられた土壌成分と核分裂生成物質が雨として降った「黒い雨」の一部である可能性もある。しかしながら、粒子単体から放射性同位体元素は検出されていない為、原爆由来かどうか断定できていない。さらに原爆投下から70年以上経過しており、放射線計測による分析も困難である。そこで本研究では、高面分解能で元素・同位体イメージングが可能な集束イオンビーム飛行型質量分析器(FIB-TOF-SIMS)等を用いて、ガラス粒子の分析を行った。