16:20 〜 16:35
[2L14] タングステン材料の負水素イオンビームによる多重照射試験Ⅱ
(2)表面損傷に及ぼす再結晶の影響
キーワード:タングステン、表面損傷、繰り返し熱負荷、再結晶材、応力除去処理材
ITERにおけるSlow Transient時には、タングステン(W)ダイバータの表面温度は再結晶温度を超え、再結晶化することが知られている。そのため、再結晶化されたWについてITER運転中の様々な条件での入熱による挙動を明らかにする必要がある。本研究では、再結晶Wに対して負水素イオンビームを多重照射(3MeV、5Hz)し、繰り返し短パルス熱負荷の影響を調べ、応力除去処理Wと比較した。試料としては、応力除去処理W、KドープW、およびこれらを再結晶化させた再結晶W、再結晶KドープWを用いた。パルス幅150μs、5Hzで、21hの照射の場合で、表面の最高到達温度が1650℃程度では、応力除去処理Wと比較し損傷領域が広い。また、結晶粒界に沿った円形状のき裂が発生し、その領域の中には線状の凹凸を含む複雑な形状変化が見られ、純Wの場合と様相が異なることがわかった。