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[3J12] 福島における放射性物質分布調査
(12) 福島県の森林における土壌含水率が空間線量率の変動に及ぼす影響のモデル化
キーワード:空間線量率、土壌含水率、実効雨量
2011年以降、福島県の森林では降雨時に空間線量率が低下することが報告されている。この要因は、土壌水分の上昇に伴う遮蔽効果による土壌に存在する線源の減衰である。本研究では、福島県の複数の森林内で土壌水分と空間線量率を調査するだけでなく、土壌の水分状況を表す実効雨量(Rw)を用いて空間線量率の変化を推定することを目的した。現地観測した結果、土壌水分と空間線量率に負の相関があるだけでなく、空間線量率の減衰率は表層土壌の137Cs濃度とも関係していることが確認された。実効雨量は、数時間と数日の半減期を組み合わせ、吸水・排水過程を区別することで土壌水分の変化が再現可能となり、空間線量率の変化を推定することも可能であった。このことは、降雨による空間線量率の測定データへの影響を取り除く可能性につながる。