2023年秋の大会

講演情報

一般セッション

III. 核分裂工学 » 301-3 研究炉,中性子応用

[3M01-04] 医用RI製造1

2023年9月8日(金) 09:45 〜 10:50 M会場 (ES総合館3F ES034)

座長:鈴木 求(電中研)

09:45 〜 10:00

[3M01] 国内の原子力インフラを活用した医用 RIの自給技術確立に向けた研究開発(その2)

(1) 研究目的と成果概要

*高木 直行1、諸岡 健雄2、稲木 杏吏3、野田 貴史4、前田 茂貴5 (1. 東京都市大学、2. 日本医用アイソトープ株式会社、3. 金沢大学、4. 三菱重工業、5. 日本原子力研究開発機構)

キーワード:医療用放射性同位体、Ac-225、Mo-99/Tc-99m、加圧水型軽水炉 (PWR)、高速実験炉「常陽」

我が国の医用RI国産化率向上を目指し、既存の国内原子炉を利用したRI製造技術を検討した。対象とした核種は、医学診断で最も一般的に使用されるMo/Tcと、「標的α線療法」と呼ばれるがん治療に有効なアルファ線放出核種であるAc-225でる。
PWR(加圧水型軽水炉)などの商用炉は、設備利用率が高く、Mo-98(n,ɤ)反応に適した熱中性子スペクトルを有しているため、Mo-99の連続的かつ安定した生産に適している。またJAEA が所有する実験用高速炉「常陽」は、Ra-226(n,2n) 反応によって Ac-225 を効率的に製造するのに好ましい高エネルギー中性子束を提供する。結果として、1基のPWRは現在の国内需要のMo(〜1000Ci/週)の半分以上を安定的に生成する潜在力を持つこと、常陽は現在のAc-225世界供給量(〜2Ci/年)の半分以上を生成できる見通しを得た。