2023年春の年会

講演情報

一般セッション

IV. 原子力プラント技術 » 402-1 原子力安全工学(安全設計,安全評価,マネジメント)

[1C01-06] 過酷事故解析

2023年3月13日(月) 10:15 〜 11:55 C会場 (11号館2F 1106)

座長:松崎 隆久(日立GE)

11:30 〜 11:45

[1C06] 福島第一原子力発電所2号機原子炉建屋で水素爆発が起きなかった理由の検討

*柴 鵬輝1、野崎 謙一郎1、末廣 詳一1、本多 剛2、溝上 暢人2、溝上 伸也2、大和田 賢治2 (1. テプコシステムズ、2. 東京電力ホールディングス)

キーワード:福島第一原子力発電所2号機、水素爆発、GOTHIC、建屋内水素分布、ブローアウトパネル

福島第一原子力発電所1、3、4号機の原子炉建屋において発生した水素爆発は格納容器から原子炉建屋(R/B)へ水素が漏出した結果、あるいは格納容器ベントガスに含まれていた水素がR/Bへ逆流した結果、生じたものと考えられる。一方、1、3号機と同様にシビアアクシデントに至った2号機のR/Bにおいては水素爆発が起きなかった。その要因として、2号機R/B5階のブローアウトパネル(BOP)が開いていたことで、建屋内の換気が進み、水素濃度が抑えられた可能性が考えられる。これを定量的に評価するため、1号機の格納容器ベントガスが2号機R/Bへ逆流した可能性、及び2号機格納容器からR/Bへ水素が漏えいした可能性を考慮することで、事故進展をふまえた2号機R/B内への水素の流入量を想定し、熱流動解析コードGOTHICを用いて2号機R/B内のガス組成分布を評価した。BOP開放の有無によるガス組成分布の違い等に基づいて、2号機で水素爆発が起きなかった理由について考察した。