15:50 〜 16:05
[1F05] 原⼦⼒発電をめぐる議論の深化のための論点の分析
第2報:原子力発電に関する主観的論理構造の分析
キーワード:原子力発電利用、対話、科学コミュニケーション、社会受容 、態度形成
原子力に対する国民の理解はエネルギー政策確立のため重要だが、世論調査では統計的に態度形成因子を明らかにするものが大半であり、個人の主観的な論理構造に着目するものは少ない。第一報ではインタビュー調査に基づいた構造的な分析を行い、原子力発電利用に関する論点を整理した。第2報となる本報告では、原子力に対する賛成・反対の主張の根拠、またその主張を揺るがしうる否定意見に対する認識を包括的に抽出した。構造的に可視化、数値化した結果から、重視する論点の背景、原子力に反対する程度による違いなどについて考察した。数名の回答では、地球温暖化や原子力発電の経済面の評価について論理的一貫性が失われている可能性が示された。本研究により各主張を形成する主観的な背景と社会的議論の重要な論点が示唆された。今後、人々の相互理解を深める方法を設定することで、社会的議論の質を向上する可能性を示していると筆者らは考えている。