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[2B06] 福島県浜通りの河川における固液分配係数に基づく溶存態放射性セシウム濃度の推定
キーワード:河川、放射性セシウム、溶存態放射性セシウム、河床土
東京電力福島第一原子力発電所事故から11年が経過し、福島県内の河川における放射性セシウム(Cs-137)濃度は低くなった。特に溶存態Cs-137濃度は極めて低く、その定量のために、採水量やろ過時間の更なる増加が必須となっている。一方、環境省による放射性物質のモニタリング結果では、現在もほぼ全ての地点における河床土試料のCs-137濃度が定量されている。溶存態と河床土のCs-137の見かけの固液分配係数(Kd値)を明らかにすることで、河床土の濃度から溶存態の濃度を推定できることから、本研究では、河床土のCs-137濃度から溶存態Cs-137濃度を推定することを目的とした。福島県浜通りの河川において河川水と河床土を採取し、Cs-137濃度の測定結果から各河川における溶存態と河床土の見かけのKd値を算出した。発表では、河床土のCs-137濃度と見かけのKd値により推定した溶存態Cs-137濃度と実測値を比較し、河床土の粒度補正の有無を踏まえ、見かけのKd値による推定の適用性について報告する。