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[2B07] Cs-137が含まれる河川中懸濁粒子の評価における捕集法の検証
キーワード:東京電力福島第一原子力発電所事故、放射性セシウム、河川、懸濁粒子
2011年3月に発生した東京電力福島第一原子力発電所事故により、環境中にCs-137をはじめとする放射性核種が放出された。陸域に沈着したCs-137は、河川水中の懸濁粒子に付着するなどして下流域へと移行する。河川を流下する懸濁粒子中のCs-137を観測する方法の1つとして、浮遊砂サンプラを河川中に設置し、内部に捕集された懸濁粒子を分析する方法がある。サンプラの常時設置によって、設置期間全体を代表する懸濁粒子試料を採取できるが、懸濁粒子の粒度分布や河川水位の変化による採取試料の変化について、実試料を用いて検証した事例は少ない。このため本研究では、福島県を流れる阿武隈川を対象として、浮遊砂サンプラを設置し、設置期間中に月2回程度採水を行った。浮遊砂サンプラによって採取した懸濁粒子と採水試料からろ過によって採取した懸濁粒子についてCs-137濃度を測定し、現地に設置した粒度分布分析装置による観測結果も踏まえて濃度の差の検証を試みた。