2023年春の年会

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VII. 保健物理と環境科学 » 保健物理と環境科学

[2B14-19] 内部被ばく・放射線影響・リスク

2023年3月14日(火) 15:50 〜 17:30 B会場 (11号館1F 1102)

座長:萩原 雅之(QST)

16:35 〜 16:50

[2B17] マウスへの複数酸化ストレスに伴う障害に対する低線量X線照射による作用に関する検討

*片岡 隆浩1、直江 翔太2、藤本 有希2、村上 海斗2、雪峰 諒平2、田中 歩2、山岡 聖典1 (1. 岡山大・学術研究院・保健学、2. 岡山大・院保健)

キーワード:低線量X線照射、強制水泳試験、アルコール投与、酸化ストレス、肝障害

本研究では低線量照射による複数酸化ストレス障害への作用を検討するため,低線量X線照射後に強制水泳試験(FST)とアルコール投与をし,肝臓に与える酸化ストレスの様態について評価した。すなわち,BALB/cマウスにsham,0.1,または0.5 GyのX線(150 kV,1.2 Gy/m)を照射した。4時間後から,FSTは1日1回10分間,5日連続で実施した。その後,5g/kg体重の50%エタノールを腹腔内投与した。投与から6または24時間後に,血清と肝臓を摘出し試料に供した。その結果,FSTとアルコール投与6時間後では,抗酸化物質であるt-GSH量の減少や肝機能の低下が示す酸化ストレス障害が生じた。これに対して,FSTとアルコール投与24時間後では,低線量X線照射によりt-GSH量が増加(抗酸化機能が亢進)し,肝機能改善に寄与することが示唆できた。