2023年春の年会

講演情報

一般セッション

V. 核燃料サイクルと材料 » 503-1 原子炉化学,放射線化学,腐食化学,水質管理

[2G05-07] ラジオリシスと電気化学

2023年3月14日(火) 11:10 〜 12:00 G会場 (13号館1F 1311)

座長:渡邉 豊(東北大)

11:10 〜 11:25

[2G05] PWR一次冷却水環境の照射下での水素注入効果の評価

(8) ラジオリシス評価に及ぼす”OH+H2<=>H+H2O”の順反応及び逆反応の影響

*端 邦樹1、内田 俊介1、塙 悟史1、知見 康弘1、佐藤 智徳1 (1. JAEA)

キーワード:加圧水型軽水炉、水の放射線分解、ラジオリシス解析、腐食電位解析、OHラジカル

JAEAでは、BWR及びPWRの一次系冷却水の腐食電位(ECP)を推定する解析コードの整備を進めてきた。その一環として、炉心領域でのラジオリシス反応の速度定数が解析結果に与える影響について調べている。化学反応の速度定数は水のラジオリシスにおける過酸化水素(H2O2)の生成挙動に影響を与える。特に、OHラジカルと水素分子の反応及びその逆反応は水の再結合反応の主要な反応であることから影響が大きい。前回の発表では、逆反応の速度定数の影響を紹介し、最近の報告で推奨されている速度定数を考慮することでH2O2濃度が増加する傾向を示した。しかし、ECPの計算値も変化するため、他の速度定数も最適化する必要がある。本研究では、この反応の順反応等に着目し、H2O2生成濃度への影響を調べている。これまでのところ、H2O2濃度はこの反応の速度定数の比に相当する平衡定数に大きく依存することが分かった。