2023年春の年会

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一般セッション

V. 核燃料サイクルと材料 » 503-1 原子炉化学,放射線化学,腐食化学,水質管理

[2G05-07] ラジオリシスと電気化学

2023年3月14日(火) 11:10 〜 12:00 G会場 (13号館1F 1311)

座長:渡邉 豊(東北大)

11:40 〜 11:55

[2G07] 分極測定に基づく電気化学パラメータを用いた過酸化水素環境での腐食電位計算モデル

*和田 陽一1、石田 一成1、橘 正彦1、佐々木 麻由2、長瀬 誠2、清水 亮介2 (1. (株)日立製作所、2. 日立GEニュークリア・エナジー(株))

キーワード:腐食電位、ステンレス鋼、過酸化水素、応力腐食割れ、電気化学

316Lステンレス鋼(SUS316L)上の過酸化水素(H2O2)のカソード反応に関する電気化学反応パラメータを高温純水中でのH2O2のカソード分極曲線に基づいて決定し,H2O2環境におけるSUS316Lの腐食電位(ECP)計算モデルを開発した。SUS316LのECPの計算結果は脱気から1000 ppbのH2O2濃度範囲で,計算モデルが許容しうる±0.1 Vの誤差範囲で実測のECPと一致した。また,決定したH2O2の電気化学反応パラメータを用いた304ステンレス鋼のECP計算結果も実測値と±0.1 V以内で一致した。実測に基づく電気化学反応パラメータを用いた本ECP計算モデルにより,沸騰水型原子炉におけるステンレス鋼のECP解析値の妥当性並びに説明性が向上することが期待される。