2023年春の年会

講演情報

一般セッション

III. 核分裂工学 » 302-1 新型炉システム

[2L05-09] 高速炉・ADS設計

2023年3月14日(火) 10:35 〜 12:00 L会場 (13号館2F 1323)

座長:山野 秀将(JAEA)

10:50 〜 11:05

[2L06] 長寿命中小型ナトリウム冷却金属燃料高速炉の固有安全性と原子炉輸送上の課題

*岡﨑 陽香1、川島 正俊1、相楽 洋1 (1. 東京工業大学)

キーワード:中小型炉、可搬型原子炉、ナトリウム冷却高速炉、受動的炉停止デバイス、長寿命炉心、金属燃料

本研究では、スクラム失敗事象(ATWS)時に負の反応度を挿入する集合体型受動的炉停止デバイス(デバイス)を備えた燃料交換を行わない長寿命の可搬型中小型高速原子炉を提案した。炉心に金属燃料を採用し、熱伝導率が高いことから太径ピン化することによって、10年以上燃料交換が不要な長寿命炉心が達成可能であることが分かった。 また、炉心安全性として出力係数を評価した結果、運転期間を通じて負のフィードバック効果をもつことが確認された。さらに、ATWS 時にデバイスに求められる必要な負の反応度挿入効果を評価した結果、内側炉心燃料集合体の10%程度をデバイスで置換することにより、炉心寿命が10年以上であり、ATWS時に炉心を停止できる原子炉を設計した。さらに可搬型原子炉では、原子炉容器に燃料を装荷し一体的に輸送を想定するため、輸送時の安全性、核セキュリティ、保障措置(3S)上の課題を明らかにした。