2023年春の年会

講演情報

一般セッション

II. 放射線工学と加速器・ビーム科学および医学利用 » 201-1 原子核物理,核データ測定・評価・検証,核反応工学

[3E01-06] 核分裂反応

2023年3月15日(水) 09:30 〜 11:05 E会場 (12号館2F 1225)

座長:岩本 修(JAEA)

10:45 〜 11:00

[3E06] 5次元Cassiniパラメータを用いたアクチノイド領域における核分裂動力学の研究II

*岡田 和記1、和田 隆宏1、Nicolae Carjan2,3 (1. 関西大、2. IFIN-HH、3. LP2i, Bordeaux Univ.)

キーワード:核分裂動力学、Langevin方程式、核データ、Cassiniパラメータ

多次元Langevin方程式を用いた核分裂の動力学計算は、核分裂研究において広く用いられている。我々は、変形核形状をフレキシブルに再現できるCassiniパラメータをLangevin方程式に適用している。これまでの研究から、基本の変形度である全体の伸び、質量非対称性、分裂片の四重極変形の3つに、形状非対称性、分裂片の八重極変形を加えた5つのCassiniパラメータが、分裂片形状の描写に重要であることが示唆されている。本研究では、これらのCassiniパラメータを用いた5次元Langevin方程式をアクチノイド領域に適用する。
 2022年春の年会では、5次元Langevin計算の初期的な結果として、ウランやフェルミウム核分裂の質量分布を報告した。本発表では、さらに様々なアクチノイド核に対し、質量分布や運動エネルギー分布の計算結果を報告する。特に中性子数に応じて分裂様相が大きく変化するThに着目する。計算結果と実験データの比較から、Cassiniパラメータを用いた5次元Langevin計算の有効性について議論する。