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[3F02] 高速炉ラッパ管用PNC-FMSの長時間熱時効による強度変化
キーワード:フェライト/マルテンサイト鋼、熱時効効果、引張試験、硬さ試験
原子力機構では、高速炉用ラッパー管材料として、11Crマルテンサイト鋼のPNC-FMSの開発を進めている。照射後試験で観測される材料特性変化は、照射と熱時効の重畳効果によるものであり、照射試験データから照射効果を明らかにするためには、熱時効試験データベースを構築して、照射効果を抽出することが必要である。 本発表では45,000時間熱時効後のPNC-FMSについて、引張試験と硬さ試験を実施した結果を報告する。 熱時効後の引張及び硬さ試験結果では、想定使用温度550℃までは長時間熱時効後も強度は維持されていた。一方、600℃以上では、熱時効時間とともに強度低下していた。その傾向は、ラーソンミラーパラメータ(LMP)を用いた1次式で整理できた。この結果は、高温・長時間側では、拡散律速過程によって微細組織が劣化し、強度低下に至ったことを示している。