2023年春の年会

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V. 核燃料サイクルと材料 » 505-2 放射性廃棄物処分と環境

[3G04-08] 核種移行・収着

2023年3月15日(水) 10:35 〜 12:00 G会場 (13号館1F 1311)

座長:武田 匡樹(JAEA)

11:20 〜 11:35

[3G07] 薄片状黒雲母への陽イオンの収着挙動に関する温度依存性

*小林 凜太朗1、千田 太詩1、関 亜美1、新堀 雄一1 (1. 東北大 )

キーワード:地層処分、黒雲母、収着、陽イオン、温度依存性

花崗岩中の核種収着を支配する黒雲母については、これまで均一に粉砕した粉末試料によりその核種収着能が評価されてきた。しかし、実環境において黒雲母が薄片状で存在するため、現実的な核種移行評価には黒雲母薄片端部の収着に加えて薄片内部への拡散浸入を考慮する必要がある。本研究では、温度をパラメータとして、薄片状黒雲母を用いた陽イオン核種の収着実験を行い、温度依存性および収着メカニズムについて検討した。温度は288~313 K、pHは3~8として7日間に亘り収着挙動を調べた。収着させる陽イオンとしてEu、Sr、Csの安定同位体を初期濃度0.5 mMとなるように加えた。その結果、従来の粉末試料では数時間で収着が平衡に達するのに対し、薄片内部への拡散浸入を示唆する緩やかな収着量増加が収着実験期間に亘り確認された。また、収着量の経時変化をもとに評価した薄片状黒雲母内の見かけの拡散係数は温度上昇に伴って大きくなることが明らかになった。