2023年春の年会

講演情報

一般セッション

III. 核分裂工学 » 301-1 炉物理,核データの利用,臨界安全

[3K06-09] 燃料デブリ臨界解析2

2023年3月15日(水) 10:55 〜 12:00 K会場 (13号館2F 1322)

座長:鈴木 求(電中研)

10:55 〜 11:10

[3K06] 燃料デブリ粒子の大きさが臨界挙動に与える影響を熱移動の観点から調査する動特性解析

*福田 航大1、山根 祐一1 (1. 日本原子力研究開発機構)

キーワード:臨界安全、臨界事故解析、動特性解析、福島第一原子力発電所、燃料デブリ

福島第一原子力発電所における燃料デブリ取り出し時に臨界安全性評価の対象となる体系の一つに、小さなデブリ粒子が水中に分散した体系が挙げられる。このような体系では、デブリから水への熱伝達効率が粒子の大きさに依存するため、粒子の大きさが臨界影響評価時に重要なパラメーターとなりうる。そのため、粒子状のデブリが臨界となる場合に粒子径が核分裂数に与える影響を明らかにすることを目的として動特性解析を行った。一点炉動特性方程式及び一次元非定常熱伝導方程式を用いた核熱結合動特性解析を行った。その結果、燃料から水への熱伝達が大きくなる条件、例えば燃料周囲に水が豊富に存在する条件下では、粒子の半径を1桁小さくすると核分裂数が10倍となる場合があることが明らかとなった。このような体系における臨界影響評価時に核分裂数を過大又は過小に見積もることを避けるために粒子の大きさを適切に設定する必要があることが示された。