2024年春の年会

講演情報

一般セッション

V. 核燃料サイクルと材料 » 505-1 放射性廃棄物処理

[2B14-17] セメント・ジオポリマー

2024年3月27日(水) 16:05 〜 17:10 B会場 (21号館2F 21-204)

座長:秋山 大輔(東北大)

16:50 〜 17:05

[2B17] 放射性物質によるコンクリート汚染の機構解明と汚染分布推定に関する研究

(26)福島第一原子力発電所コンクリートの汚染調査・推定の要点:ひび割れ、骨材、セメント、競合イオン、乾燥・炭酸化・溶脱、吸着の可逆性・不可逆性

*山田 一夫1、丸山 一平2、渋谷 和俊3、東条 安匡4、粟飯原 はるか5、細川 佳史6、五十嵐 豪7、駒 義和5 (1. 国環研、2. 東大、3. 太平洋コンサルタント、4. 北大、5. JAEA、6. 太平洋セメント、7. 名古屋大)

キーワード:福島第一原子力発電所、コンクリート、汚染、ひび割れ、骨材、炭酸化、不可逆的吸着

コンクリートの放射性物質による汚染機構に関して多くの研究が行われてきている。福島第一原子力発電所(1F)事故後の汚染の調査・推定において、考慮すべきこの1F事故特有の要因をまとめる。まず材料としてセメント種類と骨材、次いでコンクリートの状態として乾燥・炭酸化・ひび割れ、最後に汚染履歴として競合イオンと汚染水との反応がある。これらの要因は見かけの拡散係数や吸着量を1桁以上変化させ得るものであり、これらを考慮しない研究の参照や検討では不十分である。1F事故後のコンクリートの汚染はイオン浸透により発生しており、イオン浸透はコンクリート中の空隙水と固相との相互作用による。相互作用はイオン交換と溶解再析出反応が考えられる。イオン交換の場合、通常のイオン吸着はイオン浸透を遅延せず、骨材によるCsの固定吸着などが著しい浸透遅延を引き起こす。競合イオンは不可逆的吸着の場合でもイオン吸着を減じ、浸透を早める。

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