日本赤ちゃん学会第21回学術集会

講演情報

部会企画ラウンドテーブル

[GRT1] 赤ちゃんはつながっている:コミュニカティヴ・ミュージカリティから音楽文化へ

2021年6月12日(土) 13:50 〜 15:20 Room2

企画:日本赤ちゃん学会音楽部会(代表:今川 恭子)

話題提供:蒲谷 槙介、丸山 慎、市川 恵

指定討論:高田 明、志村 洋子

13:50 〜 15:20

[GRT1-01] 赤ちゃんはつながっている:コミュニカティヴ・ミュージカリティから音楽文化へ

*今川 恭子1、蒲谷 槙介2、丸山 慎3、市川 恵4、高田 明5、志村 洋子6 (1. 聖心女子大学、2. 愛知淑徳大学、3. 駒沢女子大学、4. 東京藝術大学、5. 京都大学、6. 同志社大学赤ちゃん学研究センター)

※Zoomリンクはページ下部(ログイン後)に表示されます。

企画者:日本赤ちゃん学会音楽部会(代表:今川 恭子・聖心女子大学)
司会者:今川 恭子(聖心女子大学)
指定討論者:高田 明(京都大学大学院)、志村 洋子(同志社大学赤ちゃん学研究センター)

【企画趣旨】
 音楽部会は,赤ちゃん学の成果を保育・乳幼児教育および子育て現場に向けて発信し,現場の音楽的実践に活かすことを目的に活動を続けている。現代の保育・子育てというと制度上の問題が注目されがちであるが,保育の内容とその質こそは子どもたちと養育者・保育者にとって中核をなす問題であり,研究成果をここに根づかせることは部会の重要な役割であると考える。
 本企画は,「人と人との関わりあい」をベースに文化的意味生成としての音楽的実践に向かう赤ちゃんの姿に焦点化し,コミュニカティヴ・ミュージカリティ(Malloch & Trevarthen, 2009)(以下CM)を共通の理論的基盤としながら複数の視点から研究成果をクロスさせていく。生後間もなくから発現するCMは音楽的であるが,そこから文化的実践としての音楽へはどのように橋渡しされるのか。リズム同期と向社会性との関連はヒト社会に普遍的に見られ,その根源は母子関係に見出されるかもしれない。だがその有り様は文化・社会によって多様であり,この多様性は赤ちゃんの成長と共に社会的文脈の中で紡ぎ出され,文化的実践の多様性に通じているのではないか。話題提供者たちは,アフォーダンス,アタッチメントの理論と照らし合わせ,さらに歌に向かうナラティヴ(文脈的意味)形成の実相を踏まえて,これらの問いについて実証的に論じていく。
 指定討論者はまず,子育て・子育ちの社会・文化的多様性が人類にとって持つ意味という観点から話題提供者たちの議論を深めていく。次に保育・子育ての現場に目を転じ,能動的かつ双方向的に通じ合い,文化に参加し文化の多様さを醸成する存在としての赤ちゃんにとっての音楽を考える。
 ヒトに普遍(と想定される)の音楽性を基盤として,文化の中で多様な形で多様に意味を紡ぎ出す子どもの成長を捉え,支えるための視座を,我々はどのように定めたらよいのか。乳幼児をとりまく音楽実践の中には,ともするとエビデンスを欠いた慣習的かかわりや,省察を欠いた「非認知能力」概念の安易な適用が散見されることは否めない。赤ちゃん学の成果を活かした総合的で確かな音楽実践のあり方について議論を進めていきたい。

【話題】
音楽性の揺籃としてのアタッチメント
話題提供者:蒲谷 槙介(愛知淑徳大学)

楽器と赤ちゃん―“鳴る”アフォーダンスがつなぐもの―
話題提供者:丸山 慎(駒沢女子大学)

文化としての歌との出会い―二項関係から三項関係へー
話題提供者:市川 恵(東京藝術大学)

Zoom・Gather.townのURL、PDFの閲覧には参加者用アカウントでのログインが必要です。参加者ログイン後に閲覧・ダウンロードできます。
» 参加者用ログイン