2020年度全国大会(第55回論文発表会)

講演情報

都市計画論文

講演番号[35]-[39]

2020年11月7日(土) 13:00 〜 14:40 第III会場

司会:小林 隆史(立正大学)

14:20 〜 14:40

[39] 地域間流動データに基づく多層的な交流圏域の推定手法

―人口移動ならびに物流データを用いた分析例

○本間 裕大1、白濱 篤 (1. 東京大学生産技術研究所)

キーワード:地域間流動データ、交流圏域、多層性、クラスタリング、数理最適化

人や物,情報によってなされる地域間交流は,社会活動の特徴を把握するための重要情報である.それらは空間的に離れた地域間で生じるが,その交流はいくつかの圏域に分割されている場合も多い.このような交流圏域の存在は,同一圏域に属する地域間交流を活発にし,また,異なる圏域に属する地域間交流を阻害する要因となり得る.この交流圏域と地域間流動データとの因果関係を逆に捉えると,地域間流動データから暗黙的な交流圏域を推定することも可能と思われる.そこで本研究では,人口移動や物流の地域間流動データから,その交流圏域を数理最適化手法によって推定することを試みる.交流圏域同士の重なりを明示的に考慮することによって,社会的変化と交流圏域の空間的特徴との関係を考察する.本研究の特色としては,主に以下の3点が挙げられる;(i) 同一圏域内における交流のみならず圏域を隔てた交流にも着目していること,(ii) 交流圏域同士の多層的重なりを明示的に考慮していること,(iii) それらを汎用数理最適化ソルバで求解できるよう定式化していること.