2020年度全国大会(第55回論文発表会)

講演情報

都市計画論文

講演番号[68]-[77]

2020年11月7日(土) 09:00 〜 12:20 第VI会場

司会:飯田 晶子(東京大学大学院)、愛甲 哲也(北海道大学大学院)、川澄 厚志(金沢大学)、山崎 隆之(香川大学)

10:20 〜 10:40

[72] ユニバーサルツーリズムの推進に向けた手話による観光ガイドツアーの実態に関する基礎的研究

―伊勢神宮内宮をケーススタディとした口話による観光ガイドツアーとの構造比較を通して

○竹田 彩夏1、川原 晋2、野田 満2 (1. イオンモール株式会社、2. 東京都立大学都市環境学部観光科学科)

キーワード:ガイドツアー、手話、聴覚障害者、情報保障、ユニバーサルツーリズム

本研究の目的は、ケーススタディとして伊勢神宮内宮を用い、口話による観光ガイドツアーとの比較に基づいた手話による観光ガイドツアーの特徴や傾向を明らかにすることである。その上で、ユニバーサルツーリズムの推進を見据え、手話による観光ガイドツアーにおける情報提供の量及び質の向上に向けた考察を行う。本研究では以下の3点が明らかになった。1)手話による観光ガイドツアーを実施する組織には、手話による観光ガイドツアーのみを行う組織と、口話による観光ガイドツアーも実施する組織の2種類が確認されたが、いずれも数は極めて少ない。前者組織内における手話のレベルが一定ではないことや、観光ガイドツアーの実施において、ガイドの説明を視覚的に妨げる障壁の存在が明らかになった。2)口話による観光ガイドツアーに比べて、手話による観光ガイドツアーは話題の数が少なく、そのカテゴリーにも偏りがみられることがわかった。3)同じエリアを対象としていても、手話による観光ガイドツアーと口話によるガイドツアーは経路や停止地点、情報の提供場所等に差異があることが明らかになった。以上より、手話による観光ガイドツアーにおける考察を示した。