2020年度全国大会(第55回論文発表会)

講演情報

都市計画論文

講演番号[68]-[77]

2020年11月7日(土) 09:00 〜 12:20 第VI会場

司会:飯田 晶子(東京大学大学院)、愛甲 哲也(北海道大学大学院)、川澄 厚志(金沢大学)、山崎 隆之(香川大学)

10:40 〜 11:00

[73] イギリス・リバプール市における低未利用地の緑地的活用施策の現状に関する考察

○守谷 修1 (1. スポーツ庁)

キーワード:低未利用地、緑地、グリーンインフラ、コミュニティガーデン、リバプール、カシニワ制度

20世紀後半以降、人口減少や地域経済の衰退等による都市の縮退は、日本のみならず欧米の各都市で発生している。都市の縮退に伴って生じる低未利用地が課題となっている一方、これらを都市において新たな緑地を創出するための好機と捉え、積極的に活用していく必要性が指摘されている。そこで、本研究では、都市の縮退を経験したイギリスの産業都市の中でも特にリバプール市を事例に、低未利用地の緑地的活用施策の現状を把握・整理し、日本への示唆について整理することを目的としている。文献調査や市担当者等へのヒアリング、国内事例である柏市のカシニワ制度との比較分析から、本研究は主に以下の点を明らかにした。(1) コミュニティガーデン等による低未利用地の緑地的活用に対する行政の支援は、助成や土地所有者と市民団体等との仲介があり、基本的に住民に近い区単位で実施されている。(2)財政的支援は多様であり、行政だけでなく、宝くじ基金、健康医療機関、企業等から行われている。(3)市民団体等への技術的支援は、社会的企業やNPO等の中間支援組織により提供されている。