2020年度全国大会(第55回論文発表会)

講演情報

都市計画論文

講演番号[90]-[100]

2020年11月8日(日) 13:00 〜 17:00 第I会場

司会:梅本 通孝(筑波大学)、馬場 美智子(兵庫県立大学大学院)、客野 尚志(関西学院大学)

16:20 〜 16:40

[99] 広島市都心部及びデルタ市街地における夏季の屋外気温分布に関する研究

―気温分布形成要因の分析と熱環境改善策導入推進エリアの抽出

○井上 莞志1、田中 健太1、田中 貴宏1、松尾 薫2、横山 真3 (1. 広島大学、2. 大阪府立大学、3. 福山市立大学)

キーワード:都市高温化、移動実測、気温分布

近年、地球温暖化と都市ヒートアイランド現象による都市高温化が進んでおり、特に多くの人が利用する都心部においては、快適な屋外空間を形成するために、熱環境改善策を積極的に取り入れた都市環境デザインが求められる。またこのような取り組みを効果的に進めていくためには、都市内における熱環境改善策導入が優先度の高いエリアの抽出が必要である。そのため、広域の気温分布形成要因の分析から中心市街地周辺の気候的特徴(特に海風効果と河川効果)を把握し、さらに中心市街地の熱環境の詳細な現状把握とその形成要因分析を行った上で、中心市街地における熱環境改善策導入推進エリアを抽出することを目的とした。その結果、都心部の昼間の気温分布は河川距離、周辺緑量、周辺建物密度に影響を受けており、その中でも陸風が止み、かつ海風が十分に発達する前の時間帯で地表面被覆の影響が相対的に強くなる。これらの気温形成要因と猛暑日の定義から熱環境改善策導入推進エリアの抽出し、建物密度を減らしつつ、緑化を推進することが効果的であることを示唆した。