2020年度全国大会(第55回論文発表会)

講演情報

都市計画論文

講演番号[101]-[108]

2020年11月8日(日) 09:00 〜 12:00 第II会場

司会:藤岡 泰寛(横浜国立大学大学院)、永野 聡(立命館大学)

09:20 〜 09:40

[102] 公的住宅団地における外国人集住の実態と取り組みに関する研究

―全国の外国人集住団地管理者へのアンケート調査の分析

○王 爽1、藤井 さやか2 (1. 筑波大学システム情報工学研究科、2. 筑波大学システム情報系)

キーワード:公的住宅団地、外国人住民、住宅問題、外国人集住

近年、外国人人口が急増しており、今後も増加する可能性が高い。本研究では、全国の外国人集住がすすむ公的住宅団地を抽出し、外国人集住の実態と課題、対策の現状と効果を把握し、今後の対応策の検討を目的とする。団地の抽出は2015年の国勢調査小地域集計を利用して110の外国人集住団地を抽出した。外国人集住団地は、300戸以下の小規模かつ外国人率20%以下のものが多いが、一部に外国人率45%以上の団地もあった。半数以上は中部圏に立地している。次に外国人集住の実態と課題を調査するために110団地の118管理者にアンケート調査を行った。半数以上の団地で特定の国籍住民の集住があり、騒音問題、ごみ問題、無断転居、無断駐車といった管理上の問題と自治会不参加、コミュニケーションといったコミュニティ上の問題が発生していた。集住している国籍ごとに問題傾向の違いがあった。トラブルへの対応を進めている団地は半数で、一部の改善はありつつも、抜本解決には至っていない。外国人のコミュニケーションに苦労しており、新しいツールの活用や担い手との連携が必要なことが分かった。