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[122] 公用車電動化と広域連携による被災時電源確保
―2015年常総市水害を踏まえて
キーワード:電動化、公用車、広域連携、南海トラフ地震、首都直下地震、応援職員
日本は近年、熊本地震(2016)、台風19号(2019)など多くの自然災害に被災しているにも関わらず、公用車を活用した災害時電源確保についてはこれまで研究対象とされてこなかった.自然災害多発、人口減少などの時代背景を踏まえると、移動電源としての電動公用車を持つこと、周辺自治体と協力することには大きな意義があると考える.本研究は、公用車の電気自動車への転換や周辺自治体との広域連携が、有事にどの程度機能するのかを定量的に分析することを目的としている.まず、アクセスと維持管理費用とのトレードオフに注目し、自治体人口と面積を用いた簡単な数学的モデルによって公用車の台数を推計する.そして、電動公用車のエネルギー保有量をもとに、首都直下地震、南海トラフ地震を想定した停電克服について数値で検討した.南海トラフ地震のケースでは、首都直下地震のケースと比べて周辺自治体から賄えるエネルギー量が多く、より良い支援網が敷けることが分かった.