2020年度全国大会(第55回論文発表会)

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都市計画論文

講演番号[142]-[150]

2020年11月8日(日) 09:00 〜 12:20 第V会場

司会:津々見 崇(東京工業大学)、角 哲(名古屋市立大学大学院)

10:40 〜 11:00

[146] 殖民地区画との関係からみた明治期の北海道市街地の設計手法

木曾 悠峻1、○久保 勝裕2、安達 友広3 (1. 株式会社中山組、2. 北海道科学大学工学部、3. 株式会社伊藤組土建)

キーワード:殖民都市、グリッド市街地、原野区画、市街地区画、設計手法

北海道の市街地は、多くが農業地帯に対して都市的サービスを提供するために、計画的に建設された。地方都市の建設は明治20年代から本格化したが、特に内陸都市では、原野区画が先行し、一定程度の入植が進展した後に市街地が区画されるのが一般的であった。従って、市街地の区画は、原野区画に埋め込むように建設され、その方向は強く規定された。

本研究では、北海道殖民都市のグリッド市街地を分析対象として、①市街地範囲の設定方法と、②街区・宅地計画の方法(市街地区画道路の割り付け方法)の詳細を明らかにする。

分析の結果、①原野区画の中に市街地区画を計画する場合、小規模市街地の範囲は、市街地用地の買収時の農地単位で規定された。300間四方の原野区画(中画)の内側に収め、100間×150間の「小画」の境界線を市街地の外枠とした。②具体の街区・宅地計画は、原野区画道路を基準線として設計された。一部の例外を除き、原野区画道路は付け替えや線形の変更をされることなく、原野の基本寸法の枠内で、市街地区画道路と街区の寸法が割りつけられた。この原野区画道路によって、市街地と周囲の農村部が空間的に連続化された。