2020年度全国大会(第55回論文発表会)

講演情報

都市計画論文

講演番号[151]-[156]

2020年11月8日(日) 13:00 〜 15:00 第V会場

司会:福島 秀哉(東京大学大学院)、藤賀 雅人(工学院大学)

13:00 〜 13:20

[151] 満州国都市計画制度「先進性」再考

○五島 寧1 (1. 横浜市)

キーワード:植民地、満州国、超過収用、近隣住区

本研究は,満州国都市計画制度における,土地経営,集団住区,容積率規制に着目し,制度の起源,特徴,新規市街地への特化との関係,戦戦後日本制度との比較等の視点から検討した。土地経営は,ドイツの土地公有化政策を直接の起源とはしていなかった。集団住区は外国の理論の輸入であったが,人間的スケールの都市空間の創造よりも,人口配分の管理統制手段として利用された。容積率規制は,内地で見送られた制度であったが,高さ制限への翻訳を要するなど規制手段として発展途上であった。都邑計画法(1942)は,その時代の日本の都市計画技術を以て,既成市街地の存在を度外視して理想型を追求するとどうなるか,という実験と見ることもできるが,本格適用に至っていないことから,実験計画と呼ぶのが妥当であろう。