2020年度全国大会(第55回論文発表会)

講演情報

都市計画論文

講演番号[151]-[156]

2020年11月8日(日) 13:00 〜 15:00 第V会場

司会:福島 秀哉(東京大学大学院)、藤賀 雅人(工学院大学)

14:40 〜 15:00

[156] 都市計画における移動の自由の制限の再考

―東日本大震災後の状況を素材として

○窪田 亜矢1 (1. 東京大学大学院工学系研究科)

キーワード:移動の自由、東日本大震災、合理的な目標像、規制、事業

東日本大震災後に都市計画が適用された状況をふまえれば、都市計画において合理的な目標像を設定できたとはいえない。都市計画の再考が必要である。都市計画は、特定の都市や地域を対象に、今よりも良い状態が存在し、それを合理的な目標像として描き、規制と事業によって実現できるという信念に基づいている。現状からの変化を前提としているので、個人の移動の自由を制限することを原理的に包含している。しかし、個人の移動の自由とは、現状保障を基本とする居住や事業を営む場所に関するもので、個人の命や生活に関わる重大な自由である。そこで、現状の都市計画に、個人の移動の自由を尊重する規範を並立させる必要がある。