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[62] 斜面市街地における空き家の発生要因に関する研究
-広島県呉市両城地区を対象として
キーワード:空き家、斜面市街地、発生要因、コンパクトシティ
日本では、空き家の増加が都市の大きな問題のひとつになりつつある。一般的に、空き家は土地利用の魅力が相対的に低い環境で発生しやすいと考えられている。特に斜面市街地では傾斜が大きいために、生活上の様々な不利益を生じており、空き家が発生しやすい環境と考えられる。斜面市街地のように空き家が増加している地区において、段階的な縮退を検討する必要性が増しており、空き家の発生しやすいエリアや発生要因の分析は、今後の斜面市街地整備の方向性の検討に資すると考えられる。空き家をマクロな視点で分析した研究は多いが、空き家の発生要因は地域間で異なることから、地域特性を考慮したミクロな視点での研究の蓄積は今後も必要であると考えられる。したがって本研究では斜面市街地を対象に、標高、傾斜度、道路幅員、建築年代などを考慮したミクロな分析を行うことを目的とした。統計的検定を用いた分析からは、空き家が地理的条件の厳しいと考えられるエリアに多く分布していること、前面道路幅員や建築年代が空き家の発生と大きく関わっていることが明らかとなった。