2021年度全国大会(第56回論文発表会)

講演情報

都市計画論文

講演番号[120]-[125]

2021年11月7日(日) 09:40 〜 12:00 第V会場 (共通講義棟C EL43)

司会:西堀 泰英(大阪工業大学)、吉田 長裕(大阪市立大学)

11:00 〜 11:20

[123] 東京都市圏におけるEV・PV・定置用蓄電システムを活用した都市のゼロエミッション化に関する分析

○川崎 直哉1、室町 泰徳2 (1. 元東京工業大学、2. 東京工業大学)

キーワード:ゼロエミッション、電気自動車、太陽光発電、蓄電池、充放電制御

本研究では,PV,EV,定置用蓄電システムの導入・運用による都市のゼロエミッション化の可能性を,東京都市圏1都3県,および圏内5都市を対象に,設備導入費や運用・維持管理費から成る費用の数理最低化問題として定式化し,必要な設備導入容量や費用の観点から実現可能性を検討した.また,都市のゼロエミッション化の費用に都市の特徴が与える影響を考察した.分析の結果,各都市のゼロエミッション化に必要な総費用や設備導入容量が算出され,定置用蓄電システム導入容量と総費用やPV導入容量との関係が示された.これにより,PVのみですべての電力を賄うシナリオと比較して,一定量の売買電を行うシナリオでは費用を大きく削減できることが明らかとなった.また,前者では定置用蓄電システム導入の経済的メリットがあるが,後者では無いことがわかった.さらに, EVのバッテリー容量の総量や業務部門の電力需要構成比が高いほど総費用や買電率を下げる傾向があることが示唆された.