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[125] グリーンスローモビリティの利用者に着目した低炭素性評価に関する研究
キーワード:グリーンスローモビリティ、手段変更、低炭素性評価、Well-to-Wheel分析
近年、移動手段の低炭素化が推進される中、車両の導入の仕方や利用のされ方によっては、二酸化炭素 (CO2) 排出量を増加させたり、あるいは削減効果を低下させたりする可能性がある。本研究では、グリーンスローモビリティ(GSM)の導入によって生じる手段変更がCO2排出量の削減に寄与できているかをWell-to-Wheel (WtW) 分析を用いて試算した。その結果、分析対象地域の東員町と鞆町ではそれぞれ、GSMからのCO2排出量が従来の移動手段より少なく、導入による排出量の削減効果が得られたことが明らかとなった。なお、GSMが低炭素と評価されるためには、東員町と鞆町において、自家用車からGSMへ5.3%、11.7%より高い転換率が必要であることが確認できた。さらに、使用車種や運行形態等が異なる影響により、本試算方法においては、鞆町でのGSMからの利用者1人あたりのCO2排出量は、東員町の3.2倍となった。