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[26] アートプロジェクト関与自治体の活動・評価特性および課題と展望
-アートプロジェクトの評価手法開発に向けた基礎研究として
キーワード:アートプロジェクト、評価、クラスター分析、手法開発、行政意識、説明責任
本研究は、アートプロジェクト関係者間の共通認識をはかる評価手法開発のための基礎的知見を得ることを目的とし、アートプロジェクト関与自治体を対象に活動特性・評価実態・評価意識に関するアンケート調査を行った。単純集計では、自治体の評価実態・意識の全体傾向として、評価の必要性と実際の評価実態に乖離があることや現状の評価に不足感を感じていることを明らかにした。また、評価に必要な観点による類型化と活動特性・評価特性の比較分析により、各類型の評価の課題を明らかにし、(1)【横断評価型】は多様な観点を客観的に評価し関係者間の意識共有を促進する評価ツール開発、(2)【活動改善評価型】は現状の評価手法が活動成果を十分に評価できているかの検証、(3)【社会/経済評価型】は現状はかれていない社会的効果をはかる手法検討や評価負担軽減と評価観点に関するアート関係者との意識共有など、各類型の評価の展望を考察した。さらに横断的分析により、自治体の評価観点には活動目的や管轄部署の性質が影響を及ぼすことや、活動における協働がもたらす影響や地域の魅力創出などの効果をはかりきれない点がアートプロジェクト評価の課題であることが示唆された。